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秋に観たい、台湾映画

前に「夏休みに観たい、台湾映画」というタイトルで書いたので続編ということで。私がなんとなく「これは今の季節に観るといい感じがする」という理由にならない理由でチョイスした台湾映画を紹介したいと思います。

 

1.ヤンヤン 夏の思い出(2000)

ヤンヤン 夏の想い出 [DVD]

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 東京国際映画祭で『牯嶺街少年殺人事件』、そして東京フィルメックスで『タイペイ・ストーリー』が上映されることとなり、エドワード・ヤンファンにはうれしいニュースが続く今日この頃。そんな台湾の巨匠・エドワード・ヤンの最後の作品が本作になります。エドワード・ヤンは、『ヤンヤン』の次の作品(アニメ作品だった)の作成途中、59歳で亡くなりました。もし彼があと5年、10年生きていたらどうなっていたのかとそんなたられば物語を考えてしまいます。

ヤンヤン』は、マンションで暮らす一つの家族を描いた作品。少年ヤンヤンは、姉、母、祖母、父の5人暮らしの普通の家庭。ヤンヤンの叔父の結婚式を境に、祖母は昏睡状態に、母は新興宗教にハマって家出、父は昔の恋人に再会、姉は友達のボーイフレンドに惹かれ初め…。

何気ないセリフの1つ1つがどこまでも深く染み入ります。過去の自分、これから、思春期、生と死…見る人によって捉えるテーマは違うかもしれません。それでも、必ず何かを考えさせ、そして何かを残してくれる作品です。

ストーリーだけでなく、エドワード・ヤンが好んだガラス越し・ガラスに反射するカットなど、映像としても非常に美しい。『悲情城市』などのホウ・シャオシェン作品の脚本や、監督作『父さん』で知られるウー・ニエンツェンが父親役をつとめているのも注目です。秋にぴったりな静かな名作。

 

2.愛情萬歳(1994)

 私が愛してやまないツァイ・ミンリャン監督の2作目。1作目も良い!のですが夏っぽいので今回はこちらをチョイスしました。ちなみに1作目は『青春神話』。『ピクニック』とか『楽日』を観て「ツァイ・ミンリャンなんだか苦手だなあ」と思った人でも、『青春神話』はそこまでクセも強くなく見やすいのでおすすめです。私は、一番観やすいのが『青春神話』だと思っています。

 話を『愛情萬歳』に戻すと、これは実に奇妙な物語。舞台は都会の一角にあるマンション。不動産会社に勤め、このマンションの一室を自分の休憩場所にしているメイ。メイが忘れていった鍵を手に入れてマンションを寝床にし始めたシャオカン。メイと関係を持って彼女から鍵を手に入れたアーロン。3人の織り成すすれ違い生活はどうなってしまうのか…。

都会のなかで生きる孤独がカメラを通して痛いほどに私たちに伝わってきます。また、本作で明らかになったシャオカンが抱える「あること」(ネタバレになるから言えない)は3作目の『河』へと繋がっています。

そんな中、くすっと笑えてしまうシーンがちりばめられているのがこの作品の素敵なところ。このユーモアのおかげで作品が重くなりすぎず、全体の風通しがよくなっています。

実はこのブログのヘッダーはこの作品のワンシーン。アーロンがメイに電話をかけるシーンです。

アーロン役のチェン・チャオロンがこれでもかというくらいカッコいいので是非!(チェン・チャオロンが好きで好きで堪らないので、また彼に焦点を当てて書きたいです)

 

何だか割と有名どころになってしまいましたが…秋ということでしみじみと物思いに耽ることのできそうな作品を紹介しました。次はもう少しマイナーどころも紹介したいですね。ではでは。