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日記の・ようなものです

9月14日 金木犀の香り

最近、歩いているとどこからか金木犀の香りがしてきて、金木犀の木を探してきょろきょろすることがよくあります。今住んでいる土地に越してきてまだ1年経っていないので、季節の変わり目はあたらしい発見が多くて楽しいですね。実家の玄関先に金木犀があったので、金木犀の香りはどこか懐かしく、それもあってか、秋はつい金木犀がある道を選んでしまいます。

金木犀の香りは、祖父が亡くなった日のことを思い出すので、そういう意味でも思い入れがあります。母方の祖父が亡くなったときのことはよく覚えています。わたしは高校2年生でした。家に1人でいたら、仕事に行っているはずの父が突然帰ってきたので、玄関まで出迎えに行きました。開いた扉の隙間から、金木犀の香りが家の中に入ってきて、いい香りだなと思ったのを覚えています。急に帰ってきてどうしたのかと聞くと、父は少し間をおいて、ぽつりと「おじいちゃんが亡くなった。」と言いました。祖父が病気でもう長くはないことは分かっていたけれど、それでも悲しかった。

祖父はコーヒーが好きで、といってもこだわりの豆とかそんなのはなくて、缶コーヒーをよく飲んでいました。大工をしていたので、そういうこともあって缶コーヒーに馴染みがあったのかと思います。私が生まれる頃にはもうやめていましたが、昔は煙草も好きだったそうです。そんなこともあって、祖父の末期の水は、水ではなくコーヒーでした。わたしも、葉にコーヒーをつけて、祖父の口元にそっと当てました。このことも特別印象に残っています。

残された祖母も高齢になり、今やかなりぼけています。会えるうちに会っておきたいですが、この状況で四国の実家に帰ることもできず、会えていないのが気がかりです。会えないままに家族と別れることとなった人もたくさんいるようですし、自分もそうなってしまったらと不安になります。好きなときに、好きなところへ行けるように、はやくなってほしいと心の底から思います。